丸みのある額と短いくちばしを持つクジラです。深い海で魚やイカなどを捕らえます。
額は丸く、背びれは体の後ろ寄りにあります。おとなのオスでは、下あごの先に一対の歯が見えます。
このクジラには、額からくちばしにかけて白い個体や、頭に斜めの淡い帯を持つクジラがいます。アゾレス諸島で一緒に泳いでいた大人と子どもにも、頭の淡い帯が見られました。
二〇一二年十一月、カナリア諸島のエル・イエロ島に、頭の前半が白い体長三・九メートルの若いオスが漂着しました。皮膚から取り出したDNAによって、本種であることが確かめられました。二〇一七年の論文は、額だけでなく、くちばしと下あごまで白く覆われるこの色模様を報告しています。
生きている親子にも、目を引く色模様が記録されました。二〇一五年五月二十二日、アゾレス諸島のサンミゲル島沖で、大人のメスと子どもが一緒に移動する姿が撮影されています。二頭とも、頭に斜めの淡い帯を持っていました。淡い帯は、頭の上から目や口の線の始まりへと続きます。漂着した白い頭のオスと、海を泳ぐ淡い帯のある親子は、それぞれ別の記録です。死体の皮膚から得たDNAと、海上で撮影した写真が、見つける機会の少ないこのクジラの姿を明らかにしています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
海中の強い人工音は、食べ物を探す行動や仲間との音によるやり取りを妨げるおそれがあります。
二〇一三年五月にアイルランドで座礁した三頭の解剖では、大人のメス二頭の消化管からプラスチック片が見つかりました。一頭には散弾銃の薬きょうがあり、さらに詳しく調べたこの個体の胃や腸からは、ポリエステルなどの細かな粒や繊維も検出されました。二〇一五年の研究では三頭の死因は不明とされ、細かなごみを取り込んだ経路や健康への影響が今後の研究課題に挙げられています。海へ流れ込むごみを減らし、座礁個体の消化管を調べ続けることが、本種と海洋汚染の関係を把握するために考えられる取り組みです。