マレーバクは、東南アジアの熱帯林に暮らすバクです。おとなは黒と白の大きな塗り分け模様を持ちます。
鼻と上唇が一体になった短い鼻先を動かし、食べ物をつかみます。生まれた子には白いしま模様があります。
マレーバクは、森の中にあるミネラルを含んだ水たまりへ足を運びます。マレー半島の人工的に塩分を補った場所では、水を飲む姿が見られ、深い場所では泳ぐこともありました。食べ物を探す場所のほかに、繰り返し訪れる小さな水辺があるのです。
二〇一七年、三つの野生動物保護区で、人工の塩場と近くの森林を自動撮影カメラで比べる調査が行われました。マレーバクのまとまった訪問記録は、塩場で百九十八件、森林側で二件でした。撮影の間隔を一時間以上あけた記録を別の訪問として扱っており、同じ個体が何度も写ることも含まれます。
塩場での一回の滞在は平均約十七分で、森林側のカメラ前より長くなっていました。塩場の利用は、マレーバクなど一部の動物で目立ちました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
マレー半島の野生動物管理当局は、生息地にミネラルを補う目的で、二〇一一~二〇一二年に人工の塩場を整備しました。二〇二〇年の原著は、マレーバクがこれらをよく利用したことを報告しています。森林の開発で天然の塩場が失われるおそれがある一方、人工の塩場が野生動物の栄養や健康にどの程度役立つかは、今後の確認事項とされています。著者らは、天然の塩場や森林内の開けた場所との比較調査も勧めています。