トルコ東部ハッキャリ県の山地で知られるモグラです。記載論文では、渓流脇などの湿った土から採集された個体が報告されています。
毛は背中もお腹も灰色がかった茶色で、銀色の光沢があります。鼻先は桃色で、口先の感覚毛は頭の毛より淡い色です。
Talpa hakkariensisの上あごには、丈夫な奥歯が三本ずつ並び、後ろの歯ほど小さくなっています。最初の奥歯の前寄りには、ごく小さい突起があります。次の奥歯では同じ部分がよく発達しており、歯ごとに細かな形の違いがあります。
二〇二三年の研究者は、最初の奥歯を顕微鏡で観察し、写真に残しました。本種の基準標本と一部の比較標本では小さな突起が見えましたが、歯が大きくすり減った標本では失われていました。動物の歯には、その種の形に加えて、使われるうちに変わる部分もあります。
研究で本種として調べたのは、ハッキャリ県の二地点で得られた七頭です。研究者は歯や頭骨の形に加え、DNAも比べ、別の種として区別しました。歯の形と、頭骨全体の長さや幅が、近い仲間との違いを探る手がかりになりました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
本種を守るうえでは、限られた採集地の周辺で分布を調べ、湿った地面を保つことが重要です。二〇二三年の原著によると、採集地の山地草原では移動しながら家畜を飼う放牧が行われていましたが、それ以外の人の影響は小さいと報告されました。湿った土の状態と本種の生息状況を一緒に調べることが、保全を考える基礎になります。