東南アジアの森林で暮らすテナガザルです。長い腕で枝にぶら下がり、木々の間を移動します。
手足は白く、顔の周りにも淡い色の輪があります。体の毛は黒や茶色などの暗い色から、淡いクリーム色まで変化します。
タイのカオヤイ国立公園では、野生のシロテテナガザルのメス9頭が出す「グレートコール」を長年録音し、個体ごとの声を比べました。テナガザルはオスとメスで調和した歌声を出し、近隣だけでなく離れた群れにも届きます。その中でメスのグレートコールは、声のレパートリーで最も長く目立つ一節です。研究者は2013〜2019年の各夏(2018年を除く)に録音し、1頭につき5〜6年分の声を比べました。
歌全体の形も、終盤にある高いクライマックス音も、同じ個体では6年間にわたり安定していました。メスごとの声の特徴が長く保たれる結果は、遠くの相手にも歌い手を伝えるという考えと合います。グレートコールには縄張りを守る役割があるという説もあります。
IUCN Red List of Threatened Species · 絶滅危惧(Endangered, EN) · 世界全体
2020年版のIUCNレッドリストでは、シロテテナガザルは世界全体で絶滅危惧(EN)に分類されています。個体数の傾向は減少です。評価理由には、過去3世代(約45年)に50%を超える減少の推定と、森林の減少・劣化、狩猟、ペット取引や写真撮影のための捕獲が記されています。