オーストラリアで繁殖し、海を広く移動する暗い色の海鳥です。
羽は全体に暗い茶色で、尾の先は丸みがあります。飛ぶと脚の先が体の後ろに少し出て見えます。
海岸の草地でも、巣穴が多い場所には地形のまとまりがありました。オーストラリア南東部、ウィルソンズ岬周辺の14島で2008〜11年に数えた巣穴と、衛星から得た環境情報を組み合わせ、ハシボソミズナギドリの繁殖地モデルを作った研究です。巣穴密度は南東向きの斜面、緩やかな傾斜、海岸から少し離れた低地で高い傾向でした。このモデルを既知の258繁殖地に当てはめ、巣穴約1,126万個、繁殖個体約1,284万羽(推定幅1,151万〜1,417万羽)と計算しました。
地上の全巣を数えたのではなく、14島の調査から広域を推定した値です。著者らは調査地の地理的な偏りが精度を下げ得ると述べ、調査地域を増やす必要も挙げています。遠く離れた島をすべて調べきれないとき、地形の測定と現地の巣穴数を組み合わせ、広域の繁殖規模を見積もる方法を示す事例です。
IUCNレッドリスト · 低懸念(Least Concern, LC) · 世界全体(種レベル)
BirdLife InternationalのIUCN世界評価では、ハシボソミズナギドリは2018年8月7日時点で低懸念(LC)とされましたが、個体数傾向は減少と記録されています。この評価は世界全体を対象とし、各繁殖島の状態を個別に示すものではありません。2025年の別研究は繁殖個体数をモデルで推定しましたが、現地調査はオーストラリア南東部の14島に基づくため、IUCN評価の個体数値と同じものとして扱えません。