イベリア半島などを原産地とするウサギです。地面に複雑な巣穴を掘り、条件が合う場所では群れで暮らします。
野生個体は灰色や茶色を帯びた毛で、尾の裏は白い色です。飼育品種では毛色や体つきが大きく異なります。
テネリフェ島に持ち込まれたアナウサギは、草だけでなく実の柔らかい果物も食べます。体を通り抜けた種子の一部は、ふんに混ざって外へ出ます。低地の乾いた、低い木が生える場所では、島に持ち込まれたウチワサボテンの一種の種子が多く、山地の森林では、島にもともと生える木の種子も含まれていました。
2023年に公表された研究では、2020年8月から2021年11月にかけて、島の五つの植生帯に調査区を設けました。集めた244件のふんの試料には、合わせて2万9538粒のふんがありました。研究者は中から種子を選り分け、形を保っていた23種の植物の種子921個を温室にまきました。六か月の間に芽が出たのは13種、計49個です。島固有の植物だけでなく、外から入ったウチワサボテンにも発芽が見られました。アナウサギの食事は植物をかじって終わるだけでなく、種子を体の外へ運び、芽を出せる状態で残すことがあります。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
原産地のスペインでは、野生のアナウサギのすみかを整える取り組みがあります。アンダルシア州政府は2025年6月、シエラ・デ・カルデーニャ・イ・モントーロ自然公園で、繁殖室を備えた管状の人工巣穴120基、雨水を集める水飲み場六基を整備し、繁殖や隠れ場所のために78ヘクタールで枝を剪定したと報告しました。繁殖と生存を支えることが目的で、アナウサギを主な獲物とするイベリアオオヤマネコやイベリアカタシロワシの保全にも関わる取り組みです。