ユーラシア大陸北部に広く分布するワシです。冬に北日本へ来るほか、北海道で繁殖するものもいます。
おとなは白い尾と淡い黄色のくちばしが目印で、体は灰色がかった褐色です。
オジロワシが育った場所と、親になって巣を構える場所。その間の移動には、周りにすむ同じ仲間の多さが関わっています。フィンランドの記録では、出生地の周辺になわばりが多い鳥ほど、繁殖する場所までの移動距離が短い傾向がありました。
2024年の研究は、足輪の読み取りと羽のDNAを使って、生まれた巣と、おとなになって繁殖が確認された巣を結び付けました。統計解析の対象は285羽です。繁殖を始める時期の目安を5歳とし、その年の出生巣から半径30キロ以内にある、使われているなわばりの数と、移動距離との関係を調べました。
出生巣と繁殖巣の周辺を、どちらも半径10キロで比べると、別の特徴も現れました。仲間の少ない出生地からは、より多い地域へ移る傾向があり、仲間の多い出生地からは、より少ない地域へ移る傾向がありました。近くにとどまることと、混み合う場所を離れることが、同じ鳥の移動の中に重なっています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
日本では、狩猟されたエゾシカの死体と一緒に鉛弾を食べることによる中毒や、風力発電施設・電線・車・列車との事故が、オジロワシの脅威となっています。森林の伐採で巣やねぐらのある林が減ること、巣への人の接近も問題です。環境省は越冬状況や餌、行動の調査を行い、釧路湿原野生生物保護センターでは傷ついた鳥の治療や野生復帰、事故原因の解明と対策の協議が進められています。