ヒトコブラクダは、こぶを一つ持つ家畜のラクダです。北アフリカや中東の乾燥地で、運搬などに利用されてきました。
背中のこぶには、水ではなく脂肪が蓄えられます。長いまつ毛や閉じられる鼻の穴は、砂が入るのを防ぎます。
ヒトコブラクダは、暑さに強い体を持ちながら、強い日差しの下では日陰に集まります。日陰では、胸や腹を地面に付けて休んだり、いったん飲み込んだ食べ物を口へ戻してかみ直したりします。屋根の影が狭い囲いでは、ほかのラクダで影が埋まり、外で過ごす個体もいました。
2021年に公表された研究では、カタールのドーハにあるラクダ市場で、2019年9月10〜17日の行動を調べました。76の囲いにいた421頭が対象で、屋根のある囲いと、日陰のない囲いが含まれています。午前11時ごろから、一つの囲いを一分ずつ撮影し、立つ、歩く、座って休む、食べ物をかみ直すといった行動を比べました。観察時の気温は約40〜47度でした。屋根のある囲いでは、影の広さから予想されるより多くのラクダが日陰に入り、日なたの個体よりも、座って休むことや食べ物をかみ直すことが多く見られました。乾いた土地で暮らす力と、暑い時間に休める場所を選ぶ行動が、同じ動物の中に備わっています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
家畜として飼われるヒトコブラクダでは、地域ごとの遺伝的な多様さを残すことも保全の課題です。2025年2月に公表されたサウジアラビアの研究は、農場で飼われるラクダのゲノムを比べ、集団ごとの違いを調べました。研究者は、遺伝的な多様さが失われる危険を指摘し、遺伝情報を生態や生理の研究と組み合わせて、保全や繁殖計画に役立てることを提言しています。