ヒメドウナガモグラは、ベトナム北部の低地にある石灰岩山地の半常緑林で記録されています。森林外の農地や草地では確認されず、生態の詳しい条件はまだ分かっていません。
体は細長く、背中の毛は濃い茶色、腹側は銀色がかった茶色です。尾はとても短く、背面からは毛に隠れてほとんど見えません。鼻先にはひげに対応する小さな突起が並びます。
ヒメドウナガモグラは、バーヴィー山の広葉樹林にも暮らしています。この山では地下のトンネルが数多く見つかり、やや人の手が入った標高六〇〇メートルより上の森で多く得られました。森林の中で土を掘って暮らす、小さなモグラです。
この山の短い尾のモグラは、以前はヒマラヤにすむEuroscaptor micruraとして報告されていました。二〇一三年の研究者は標本の形を調べ直し、前年に新種として記載されたヒメドウナガモグラだと確認しました。バーヴィーは、その時点で本種の四番目の生息地となりました。
論文が測定値を示した三頭は、尾が六〜七ミリでした。調査は体の大きさを記録し、標本を博物館の資料と比較する方法で進められています。二〇二五年の別の研究もバーヴィーの集団を本種に含め、ほかの地域の集団とのDNAの違いを調べました。保存された標本と後年の分析が、地下の動物の分布を結び付けています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
本種がすむバーヴィー国立公園では、森林を回復させる取り組みが行われています。事業を実施したハノイ国家大学の研究機関は、二〇二〇年の報告で、二〇一四〜二〇一六年に在来の樹木を植え、荒れた森林や焼畑跡の回復を進めたと説明しています。本種のすむ森を残し、回復した場所での生息状況も調べることが保全につながります。