長い翼と、先のとがったくちばしを持つアジサシ。浅い海や水辺で、小魚などを捕らえます。
繁殖期の成鳥は、黒い冠羽と鮮やかな橙色のくちばしを持ちます。非繁殖期には額が白くなります。
オオアジサシは、繁殖を終えた海岸から、いったん北へ移動することがあります。バージニア州の島で巣についたおとなの鳥には、夏から秋にかけて大西洋岸を北上し、ニューヨーク州のジャマイカ湾まで達した個体がいました。冬の滞在地へ向かう旅の途中に、繁殖地より北の海岸も利用しています。
2022年、研究者はリップラップス島でおとなの鳥に発信器を取り付け、九羽の移動を分析しました。追跡が続いた日数は個体ごとに異なり、六月から十二月初めまでの範囲で、計一万九千件を超える一時間ごとの位置データを扱いました。月ごとの平均位置は、九月から十月ごろまで北東へ移り、その後は南西へ変わっています。一羽は主な分析期間を越えて翌年二月まで追跡され、最後の位置はホンジュラスのプエルト・コルテス付近でした。著者は北上する理由として、季節ごとに分布が変わる餌の魚を追う可能性を挙げています。北へ進んでから南へ向かう動きが、小さな発信器から具体的に浮かび上がりました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
バージニア州では、道路・トンネルの拡張工事によってサウス島の営巣地が使えなくなり、2020年に州野生生物資源局が近くのフォート・ウールに代わりの営巣環境を整えました。芝地を砂地へ変え、幼い鳥が建物内へ入り込むのを防ぐ囲いを設置し、模型と鳴き声で鳥を誘いました。同年七月四日には、同地だけで2100羽を超えるオオアジサシの幼い鳥に足環を付けたと報告しています。