ヒガシシナアジサシは、黒い頭と黄色いくちばしが特徴の海鳥で、ほかのアジサシと群れを作ります。
繁殖羽では頭が黒く、くちばしは黄色で先端が黒く、背は灰色です。
ヒガシシナアジサシは中国沿岸の島々で繁殖する、数の少ないアジサシです。浙江省の韭山列島では2013年から保全活動が続き、繁殖島で足環を付けた鳥を後年に見つける調査が行われています。Wangらは2015~2024年の足環記録と市民による観察をまとめ、ヒガシシナアジサシ116件と、同じ群れで繁殖するオオアジサシ3,501件の再確認記録を分析しました。足環は個体を見分け、繁殖地から離れた場所での記録を結び付ける手がかりです。
調査では、ヒガシシナアジサシは繁殖後に北へ移動し、山東省の日照や青島の膠州湾などを立ち寄り地として利用する傾向が示されました。オオアジサシは南へ移動する傾向があり、同じ群れで繁殖しても二種の渡り方は異なります。浙江省の繁殖島と福建省の馬祖列島のあいだでも個体の行き来が確認され、沿岸の島々がつながる繁殖ネットワークが見えてきました。繁殖地と渡りの途中で使う海辺の両方が、一年の生活を支えています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
足環の再確認記録は、ヒガシシナアジサシが繁殖後に北へ移動し、膠州湾や日照を立ち寄り地として使うことを示しました。著者らは繁殖島どうしのつながりと、渡りの途中で使う海辺を合わせた保全の必要性を指摘しています。