乾燥した草原や岩場で暮らすヒヒです。成長したオスの長い毛が、肩を包むマントのように見えます。
オスには銀色のたてがみが発達し、メスは主にオリーブ色がかった褐色です。
エチオピア北部の高地のマントヒヒは、果実や草の葉を食べるほか、岩の表面から地衣類をこそげ取って食べることもあります。木に実る食べ物から、足元の岩の表面まで、食べ物を探す場所は広がっています。
2023年の研究では、ボレナ・サイント国立公園で21〜37頭からなる群れを追い、2016年6月から2017年5月までの食事を調べました。観察した837時間のうち、食べ物を扱い、かみ、飲み込む行動を記録し、植物の実や花の量も毎月調べています。果実は食事の記録から求めた年間割合で約32%、イネ科などの細長い草の葉は約21%でした。果実を食べる割合は月ごとに変わり、11月には約1%、3月には約58%になりました。果実や花が多い月ほど、それらを食べる割合も高くなりました。一年を通じて毎月食べ続けた特定の植物はなく、高地の群れは、月ごとの食べ物の変化に合わせて食事を組み立てています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
ボレナ・サイント国立公園の2023年の研究では、周辺の畑の作物も、マントヒヒの食事の記録に基づく年間割合の約9%を占めました。研究者は、この採食が農家との対立につながる保全上の課題だと指摘しています。公園内だけでなく隣接農地を管理計画に含め、ヒヒが好まない植物を緩衝帯に植えることや、地域住民が参加する保全を提案しました。人とヒヒの生活圏が接する地域に向けた提言です。