オリーブ色がかった毛を持つヒヒで、アフリカの草原から森林まで広い環境で暮らします。
毛は暗いオリーブ灰色で、オスには体の前側にたてがみがあります。
ケニアのムパラで暮らすアヌビスヒヒは、仲間が少し前に通った場所を、あとから歩く個体も選びやすい傾向があります。朝は寝場所から離れ、夕方にはそこへ向かい、道路に出るとその道に沿って進むこともあります。群れの移動には、仲間の足取りと周りの地形の両方が重なっています。
二〇一七年の原著では、二〇一二年八月から九月に位置を追跡した二十五頭の記録のうち、最初の十四日間が使われました。個体ごとの道選びの分析は、その期間の記録がそろった十六頭が対象です。二〇一五年に空から撮影した周辺の地図を重ね、実際に進んだ場所と、別に進めたはずの場所を比べています。
道選びをよく説明したのは、およそ四分半以内に、その場所を通った仲間の数でした。仲間が多く通った場所ほど選ばれやすく、道路や寝場所の方向も選択に関係していました。著者らは、仲間のあとをたどることで危険を避けたり、道を選ぶ負担を減らしたりする可能性を挙げています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
エチオピアのマゼ国立公園周辺では、二〇一六~二〇一七年の調査で、アヌビスヒヒによるトウモロコシなどの食害と、農家との対立が報告されました。住民は畑の見張りなどを行っていました。二〇二一年の原著は、住民が協力して見張りを分担することや、公園側と住民が一緒にヒヒを引き寄せにくい作物を検討することを勧めています。農家の暮らしとヒヒの保全を両立させるための提言です。