ニホンカモシカは、日本の山地の森に暮らすウシの仲間です。オスもメスもなわばりを持って単独で暮らします。
目の下に、黒っぽくふくらんだ部分があります。ここからにおいのある液が出ます。
ニホンカモシカには、森林限界の近くで一年を過ごすものもいます。富士山では、春から秋に、火山の砂や小石が広がる開けた斜面へ出て、草や低木を食べます。冬には林や、その縁にある木々が食べ物を得る場所になります。
富士山北側の標高二千~二千九百メートルでは、二〇一七年七月から二〇一九年九月までに、合計五十日の直接観察が行われました。双眼鏡や望遠鏡でカモシカを探し、居場所や食べた植物が調べられました。最も高い目撃地点は、二〇一八年八月の標高二千八百九十メートルでした。
夏には、開けた斜面でオンタデやミネヤナギなどを食べ、秋にはカラマツの枝先も利用していました。冬には、林や林縁でシラビソの葉や、雪の上へ出た落葉樹の枝先を食べる姿がありました。著者らは、雪や強風で条件が厳しくなる高山の斜面と、冬にも食べ物が残る林を、季節に応じて使い分けていると考えています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
宮崎県の公式資料は、二〇一八~二〇一九年度の調査で、県内のカモシカがさらに減少したことを報告しています。課題には、生息環境の悪化や天然林の伐採が挙げられ、ニホンジカの増加による圧迫も考えられています。県の保護対策指針は、天然林の保護、シカの個体数管理、カモシカが狩猟されることを防ぐ取締りの強化を掲げています。