オーストラリア南西部にすむ、小型のワラビーの仲間です。
茶色の毛と丸い耳、黒い鼻を持ち、尾は比較的短くなります。
餌のところへ行くには、柵の左右どちらかを回らなければならない――クオッカを対象に、そんな迂回課題の研究が行われました。ウィンとルゲは自然環境にいた4頭の前に餌と柵を置き、左右対称と非対称の形、通り道の長さを変えて試しました。3頭は、最初に左か右へ進む傾向を示しましたが、その偏りは柵の横道が長くなるほど弱まりました。
残る1頭は左右どちらかに進みやすい傾向を示さず、非対称の柵を初めて見たとき、すぐに短いほうを選びました。ほかの3頭も、試す回数を重ねると短い道を選ぶようになりました。研究者は、初回に短い道を選んだ行動を「空間推理」、経験とともに変わる選び方を「空間学習」と区別しました。この課題では、クオッカの近道の選び方に、曲がる向きのくせと経験による変化の両方が表れました。
IUCNレッドリスト · 危急(Vulnerable, VU) · 世界全体(Setonix brachyurus)
最新のIUCN世界評価では、クオッカは2025年に危急(VU)とされています。オーストラリア連邦の環境法でも危急種です。西オーストラリア州南西部で、かつて広く見られた分布は現在、雨の多い地域などの離れた場所に残っています。政府が挙げる脅威は、生息地の減少や分断、強い火災、気候変動による乾燥、キツネやネコの捕食、野生化したブタや植物の病気による環境の変化です。対策には、火災の管理、外来の捕食者やブタの数を減らすこと、適した過去の生息地へ移す取り組みが含まれます。ロットネスト島やボールド島の群れと、本土の孤立した群れでは、暮らす場所や脅威が異なります。