岩のすき間を隠れ家にする、房のある尾のワラビーです。
背中はくすんだ茶色で、尻は赤茶色、足は黒い毛で覆われます。尾の先には目立つ毛の房があります。
同じ山地のオグロイワワラビーでも、すむ場所によって活動時刻が異なりました。クイーンズランド州アローナ牧場の3地点で2016年と2017年に撮影した記録では、雨林の谷にいた個体は明け方と夕方に活動の山がありました。いっぽう、むき出しの岩棚がある2つの尾根では、夜の活動が中心でした。尾根の地点ではディンゴの活動は明け方や夕方に多く、ワラビーと動く時間がずれていました。
谷と尾根は、木や茂みの多さ、岩場の開け方が異なる場所です。研究者は、こうした環境の違いとディンゴに出会う危険への警戒が、活動時刻に関わると考えています。この研究は、一つの牧場の3地点で集めたカメラ記録を比べています。地形や植生、捕食者の活動が重なる環境で、ワラビーが場所ごとに異なる一日のリズムを示した記録です。
オーストラリア環境保護・生物多様性保全法(EPBC法) · 危急(Vulnerable) · オーストラリア(国の法令上の指定)
オグロイワワラビーはオーストラリアの環境保護・生物多様性保全法(EPBC法)で「危急(Vulnerable)」に分類されています。豪州政府は、生息範囲が以前より大きく縮小し、いまは主にグレートディバイディング山脈の孤立した岩場に分かれて残ると説明しています。主な課題にはキツネの捕食、生息地の分断、深刻な火災、ヤギなど外来の草食動物との競合があり、個体群をつなぐ環境づくりや岩場周辺の保護が対策に挙げられています。この法的区分はオーストラリア国内の評価で、世界全体のIUCN評価とは別です。