背中に淡いピンク色が出る、アフリカの水辺のペリカンです。
背中や腰は淡い灰色で、特に繁殖期にはピンク色がかります。頭には灰色の飾り羽があり、目の前には暗色の斑があります。風切羽は灰色です。くちばしは黄色で先端は黄赤色、喉袋は濃い黄色です。
南アフリカ北東部では、コシベニペリカンの繁殖地と餌場が季節ごとに違う水辺に現れます。ボウカーの地域研究によると、最初に報告された繁殖地は1949年のフルフルウェ川河口で、1984年にはムクゼ保護区のンスモ・パンへ営巣地が移りました。
1992〜2005年の水鳥調査を比べると、夏はンスモ・パン、冬はセントルシア湖で記録される数が多く、夏の推定値は34〜250羽、冬は46〜168羽と年による差も大きくなっています。この数字は同じ個体に標識を付けて移動を追った結果ではなく、季節ごとに各地点で数えた記録です。繁殖池だけを見ていると、冬に使う湖や氾濫原の水辺が視野から抜けます。巣を置く木、採餌に使う水域、季節ごとの移動を一続きに見ると、コシベニペリカンが暮らす湿地の広がりが浮かび上がります。
IUCNレッドリスト · 低懸念(Least Concern, LC) · 世界全体(種レベル)
世界全体では、IUCNレッドリスト2024年評価で低懸念(LC)です。評価日は2024年7月22日で、成熟個体は33,300〜66,700羽、世界の個体群動向は安定と推定されました。一方、南アフリカ・レソト・エスワティニを対象とする2025年地域評価では危急(VU[A2c・D2])です。同地域の成熟個体数は600〜900羽とされ、この推定は2015年の包括的調査を引き継いでいます。確認されている繁殖地は3か所に限られます。鳥類調査の記録からは、3世代の間に生息範囲が約39%縮む予測が示されました。繁殖地での妨害、雨や氾濫の変化、巣木や湿地の減少が課題です。評価は、毎年同じ方法で繁殖つがいの数を調べ、巣に使う木を守り、大切な水辺を管理することを提案しています。季節移動で記録数が変わり、地域個体数の推定確信度は中程度とされています。世界の低懸念評価と南アフリカ・レソト・エスワティニの危急評価は、対象範囲が異なる別の判断です。