メスグロホウカンチョウは、南米北西部の川沿いの林や湿った森にすむ大型の鳥です。ペアや小さな群れで地上を歩いて果実を探し、危険が迫ると木へ逃げます。
成鳥は光沢のある黒い羽が中心で、腹、脇、尾の付け根の下側が白く見えます。メスはオスに似ていますが、冠羽に細い白い筋があり、ろう膜の色は亜種の地域で異なります。
メスグロホウカンチョウが暮らすフランス領ギアナの森には、雨季と乾季があります。季節が変わると、鳥が使う森の範囲にも変化が表れます。ヌラグ保護区の熱帯雨林では、発信器を付けた成鳥を追い、一日の移動と長い期間の行動範囲が調べられました。森の中の足取りをつないだ研究です。
2010〜2013年に行われたこの調査では、四羽の成鳥を、それぞれ十か月から二十一か月半にわたって追跡しました。雨季の二回と、その間の乾季の記録を比べると、鳥はほぼ同じ地域にとどまりながら、乾季には行動範囲を広げる傾向がありました。一日に移動する距離も長くなっていました。
隣り合う鳥たちが使う範囲には重なりがあり、乾季にはその重なりも増えました。森の一部だけでなく、鳥が季節を通して移動する範囲を知ることが、生息地を考える材料になります。狩猟や森林の乱れがない保護区で集めた位置の記録は、この鳥の暮らしと、人の利用の影響を調べる基礎にもなっています。
IUCNレッドリスト(BirdLife掲載) · 低懸念(LC) · 世界
BirdLifeの世界評価は低懸念です。フランス領ギアナでは狩猟の影響が保全上の課題になっています。追跡調査は、季節によって鳥の使う範囲が変わることを示し、生息地や人の利用の影響を考える基礎資料になっています。