目の後ろの白い飾り羽と、胸に垂れる黒い羽が目立つツルです。
成鳥は青みがかった淡い灰色で、目の後ろから白い羽が伸びます。胸からは長い黒い羽が垂れています。
アネハヅルは、秋にヒマラヤを越え、春は山脈の西端を回って北へ戻ります。モンゴル北東部で繁殖する個体を追った研究では、秋はインドへ向かって山脈を越え、春は西端を回って北東へ戻る大きなループが確認されました。春の帰路は、秋の経路より1,700〜2,650キロ北側を通っていました。研究者は2016年と2019年に27羽へ発信器を装着し、データを十分に記録した16羽の61,136件の位置を分析しました。
春の実際の経路は、ヒマラヤを越える仮想の帰路より、立ち寄り地のNDVI(衛星画像から植物の緑の濃さを示す指標)が86%高いと推定されました。秋の南下では、山越えの経路が仮想の北回りよりも、風や上昇気流、地上の気温に恵まれると見積もられています。季節ごとに地上の餌環境と、飛行を助ける空の条件が入れ替わることが、往復で違う道を選ぶ理由として示されました。
IUCNレッドリスト · 低懸念(Least Concern, LC) · 世界全体(種レベル)
アネハヅルは、IUCNレッドリストの2018年世界評価で低懸念(LC)とされ、全体の個体数は増加傾向と記録されました。ただし同じ評価は、地域によって減少・安定・傾向不明の個体群があるとしています。欧州の個体数は、2015年の推定に基づき、約3世代(33.6年)で25%未満の減少と記されました。地域ごとの変化を見落とさないよう、渡りや越冬地で定期的に個体数を調べ、同じ場所の年ごとの変化を比べることが保全判断の土台になります。