高い山の地域で繁殖し、冬には低い土地へ移るツルです。
成鳥の頭と首は黒く、頭の上には赤い部分があります。体は灰色で、目の後ろには小さな淡い色の部分があります。
草地が大きく広がる湿原でも、オグロヅルの巣は水辺に見つかりました。四川省と甘粛省の境にあるルオルガイ湿地で、2003〜05年に見つかった21巣はすべて湿地内にあり、調査地の86%を占める草地にはありませんでした。湖では14巣、沼では4巣、川辺では3巣が見つかりました。巣型は島状14、ヨシ3、泥4に分かれます。島状の巣は草の島、水生植物、泥を重ね、広い底面を水に沈め、中央を少しくぼませます。巣の近くの水深は23〜48cm、平均31.1cmでした。
著者らは、大きな水面や岸からの距離が陸上の捕食者の接近を妨げる可能性を示しています。研究者は湖の保護に加え、沼の約100㎡の水域を緩衝地として残すことや、湿地の分断を減らす回復策を提案しました。湿地の広さだけでは見えない、水深や草丈、岸との距離が巣場所を形づくることが、この調査から浮かびます。
IUCNレッドリスト · 準絶滅危惧(Near Threatened, NT) · 世界全体(種レベル)
IUCNの世界評価では、オグロヅルは2020年7月24日に準絶滅危惧(NT)と判定され、個体数傾向は安定、成熟個体数は6,600〜6,800羽と推定されました。冬の生息地を保護・新設したことで成鳥の死亡が減り、個体数増加につながったと説明されています。一方、評価は世界に一つの小さな個体群が、将来の減少を招く脅威にさらされていると述べています。水位の変化、湿地の排水・転換、過放牧、繁殖地や越冬地での人為的な攪乱が課題です。