パラワンコクジャクはフィリピンのパラワン島の雨林にすむキジの仲間です。オスは青く光る羽を持ち、メスは茶色の羽で森林の地面にまぎれます。
オスの翼は金属のような青い光沢があり、尾には青い斑点があります。メスはやわらかな茶色の羽を持ち、尾にも斑点があります。
パラワンコクジャクのオスには、目の上に白い帯があるものと、帯のないものがいます。白い帯が頭の後ろまでつながる姿もあれば、一部にだけ白い部分を持つ姿もあります。同じパラワン島の鳥でも、頭の模様にはいくつかの形が見られます。
二〇一五年の研究は、欧米の十二の博物館からオスの頭部の写真を集め、島で撮られた野生個体の写真も比べました。採集地が島名だけになっている標本は、場所ごとの比較から外されています。標本の姿に加え、どこで得られたかという古い記録が、模様の広がりを調べる材料になりました。
北側の二地点には、白い帯がそろった姿だけがあり、南東側の二地点には、帯のない姿だけがありました。島の中央部では、白い部分が途中までの姿も見つかっています。目の上の小さな模様に、島の中での地域差が表れたのです。著者らは、この違いが生じた歴史を調べるため、野外調査と遺伝子の研究を提案しています。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
フィリピン環境天然資源省が公開する2022年の台風後調査の要約では、パラワン島の森林回復期に、本種などへの狩猟や密猟を防ぐ管理の強化が求められています。森の自然な回復を助ける方法と、残った植生を継続して調べる方法も提案されています。傷んだ生息地を回復させ、そこで暮らす鳥への捕獲圧を減らすことが重要です。