ニコバルツカツクリはニコバル諸島にすむ地上性の鳥です。落ち葉や砂を積んだ大きな塚を作り、その中の発酵熱を使って卵を温めます。
オスとメスは羽色がよく似ており、オスとメスの見分けは外見だけでは難しい鳥です。
ニコバルツカツクリは、卵を埋める塚を、複数のつがいで使うことがあります。それぞれのつがいは自分たちの縄張りを持ち、その端にある塚の周囲で、ほかのつがいの縄張りと重なります。繁殖の場所を共用しながら、鳴き交わしや追いかけ合いで自分たちの場所を守ります。
大ニコバル島南端の海岸林では、一九九六〜一九九七年に、色の印を付けた鳥の行動が追跡されました。調べた二十九の塚では、一つ当たり平均二・三つがいが利用していました。印のある鳥だけでも、一つの塚を最大五つがいが使い、同じ塚には印のない鳥も来ていました。
同じ塚を使うつがいの間には、強さの順序も見られました。優位なつがいは塚に長く滞在し、ほかのつがいが土を掘る作業を妨げることがあります。産卵の時期が終わると、中心になるつがいが入れ替わる様子も報告されました。卵を育てる塚の周りでは、場所の共有と、つがい同士の競争が並んで起きているのです。
IUCNレッドリスト · 危急(VU) · 世界
二〇二一年一月二十七日の世界評価では、ニコバルツカツクリは危急(VU)です。二〇〇四年の津波による大幅な減少の後、二〇〇九〜一一年の沿岸調査などをもとに、繁殖できる成鳥が約七百五十〜千五百羽と推定されました。評価は、海岸林への圧力と、個体数の再調査の必要性を挙げています。塚を作れる海岸林を守り、狩猟や卵の採取を抑えることが保全につながります。