長いくちばしで落ち葉を探る林床性のキジです。サラワク州の低地型では、オスとメスで胸の色や足のとげの数が異なります。
低地型の成鳥では、オスは栗色の頭、灰色の胸、茶色い背をもち、後ろあしに二本の距がある。メスはより明るい黄褐色で胸に灰色がなく、距は一本。
ハシナガシャコは、東南アジアの森に暮らす、長いくちばしを持つ鳥です。マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島などに分布し、原生林やよく育った二次林で記録されています。森の奥で暮らすこの鳥の繁殖を伝える資料には、九十年以上前に集められた卵の記録があります。
一九四六年の報告には、西ボルネオのシンカワン地方で、一九三四年二月に別々の巣から得られた二つの卵が載っています。一方は巣にいたメスとともに著者へ届けられました。地元から伝えられた巣は、竹の株の根元にある浅いくぼみで、植物の繊維や枯れた竹の葉が敷かれていたといいます。
卵は長い楕円形で、表面はなめらかで少し光沢がありました。淡い地色には栗色や薄紫色の模様があり、二つで斑点の現れ方も違っていました。測られた長さはいずれも約三・七センチです。葉を敷いた森の小さなくぼみと、そこから届いた卵の色や形が、当時の繁殖の姿を具体的に伝えています。
IUCNレッドリスト · 準絶滅危惧(NT) · 世界
2025年のIUCN世界評価は準絶滅危惧で、数は減少傾向と推測されています。農園への転換や伐採による森林の減少と分断が主な脅威です。現在の生息記録がある森を守ること、地域ごとの生息条件を調べること、スマトラ島での分布を確かめることが提案されています。