カンボジア南西部の山地にすむキジの仲間です。カルダモン山地の個体には、地域の亜種として記載されたものがあります。
亜種 chandamonyi は、黒い頭頂に栗色の斑点が散り、顔・のど・胸は濃い栗色です。腹側の羽の黒い縁取りは、他の亜種より弱いと報告されています。
カンボジアミヤマテッケイは、カルダモン山地の常緑の森で暮らします。木々の下には起伏の多い斜面が広がり、オスは声を響かせます。山の高さや斜面の形も、この鳥のすむ場所に結びついています。
二〇一五〜一六年、カンボジアの三つの保護区で、研究者は決めた道筋を繰り返し歩き、オスの声が聞こえる方向や距離を調べました。姿を見て確認できた群れは二つと少なく、鳥の密度を見積もる手がかりには、鳴いているオスの記録が使われました。深い森では、声も鳥の居場所を伝えます。
さらに、別の動物を調べるため森に置かれた自動カメラの記録も組み合わせました。二〇一三〜一四年と二〇一五〜一六年の撮影資料を使った解析では、鳥がいることと、標高や斜面の傾きとの間につながりが見られました。森を横切る姿と、木々の間から届く声。その両方が、この鳥に合う場所を探る手がかりになりました。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
カルダモン山地の衛星画像を使った解析では、この鳥に適すると推定された森の面積が、一九九六〜二〇一六年に約一一%減っていました。研究は、伐採や農地への転換、狩猟を保全上の課題に挙げています。保護区内に残る森でも、伐採や捕獲を抑え、実際の生息状況を調べながら管理を続けることが大切です。