台湾の山地林にすむ固有のキジ科の鳥です。黒白の顔模様と赤い脚が目立ち、林床を歩いて餌を探します。
灰色の頭頂、黒い顔の側面、白い眉と喉が目立ちます。背と尾は黒い横斑のあるオリーブ色で、翼は赤褐色に灰色の帯があります。胸は青灰色、脇には白い縦筋があり、脚は赤色です。メスの黒い首の帯はオスより細い傾向があります。
ミヤマテッケイは、落ち葉や細い枝を使って、木の根元などに丸みのある巣を作ります。卵を温める親鳥は、巣から出ると、くちばしで手前の落ち葉や小枝を拾い、後ろへ投げて巣にかぶせます。巣作りに使う身近な材料を、留守にする前にも動かす鳥です。
台湾の雲林県湖本で、二〇〇六年五月から六月にかけ、一つの巣が約八日間、カメラで撮影されました。卵がかえるまでに親鳥が巣を離れた八回では、巣に葉や枝をかぶせる作業に、平均で約四分半かかっていました。親鳥は多くの日に朝一度だけ巣を出て、毎回同じ方向へ歩いていきました。
六月四日の朝には、四個あった卵のうち三個からひながかえりました。ひなはその日のうちに親鳥について巣の外へ出て、夕方には戻りました。翌朝に再び出発すると、この巣へは帰ってきませんでした。卵を包んでいた落ち葉の家は、ひなが歩き出すと、わずかな間で役目を終えたのです。
絶滅のおそれの評価は、まだ掲載していません。
台湾の二〇二四年十二月版レッドリストでは、ミヤマテッケイは低懸念(LC)とされています。木や竹の根元の落ち葉を使った三つの巣の報告は、繁殖場所となる林床の環境を知る手がかりです。